てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳
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村便り:2016-09-30(金) (ハクビシン)
投稿日:2016-09-30(金)

先日、畑の近所の家に用があって行った。上がり込み、用件を済ませてから雑談を始めた。まず、私が田んぼの電気柵に電気を通した話をした。...

先日、畑の近所の家に用があって行った。上がり込み、用件を済ませてから雑談を始めた。

まず、私が田んぼの電気柵に電気を通した話をした。その田んぼは周りが耕作放棄田に囲まれているため、よくイノシシが荒らしに来る。そこで何年も前から電気柵で囲い、イノシシの侵入を阻止している。ただ、近年は電気を通していなかった。ひとつは、学習能力の高いイノシシは、電気柵で痛い目にあうと電気柵を《学習》し、それ以降は、たとえ電気が通っていなくても、電気柵には近づかなくなるからである。それに、電気柵用の電池は高価なので(約4,000円)、できれば使いたくないからである。ところが、今年はイノシシが電気柵を無視して田んぼの中に入った。そこで、再度《学習》してもらうために、電気を通した、というわけである。

すると、その家の主人はハクビシンを捕まえた話をした。今年になって、見慣れない動物がこの辺りの畑にやってくるようになった。タヌキのようにも見えたが、ハクビシンという結論になった。

その人の畑で、トウモロコシなどが被害にあった。そこで、その人は罠を自作して、畑の隅に置いた。罠は、イノシシ用の檻罠を小型化したものである。ハクビシンは簡単につかまった。そこで、動物愛護協会(と、その人は言ったと思う)に頼んで、引き取ってもらおうとした。しかし、野生動物は許可なく捕獲してはいけない、と諭されて、引き取ってはもらえなかった。その間、数日。その人の孫娘は、ハクビシンを観察しては日記にその様子を記録した。そして、ペットのように愛着をもったようである。その人はハクビシンを引き取ってもらえないので、籾袋に入れて山の中に捨てにいった。ところが、孫娘はハクビシンが消えたのを見て、しくしく泣いた。かわいい《ペット》がいなくなったからである。そのうち、孫娘は落ち着いた。ところが、お祖父さんの顔をみると、またしくしくし始めた。お祖父さんが、ハクビシンを捨てたのを思い出したからである。「ほいでも、ハクビシンを飼うわけにゃいかんけんのお」と、話がそこまでいくと、その人(つまり「お祖父さん」)と、一緒に話していた奥さんと私と、孫娘の様子を想像して、三人で笑いこけた。

それから、モグラ捕獲器の話になった。モグラをくし刺しにして捕獲する、というか、捕殺する器械である。が、この記事ではここで終わります。
村便り:2016-09-30(金) (畑の農繁期なのに、雨が降り続く。)
投稿日:2016-09-30(金)

9月に入ってから雨の日が多い。8月が晴天続きで、干ばつとは言えないまでも、極端に乾燥していたのと対照的だ。通常、8月は晴れが続き、9月に...

9月に入ってから雨の日が多い。8月が晴天続きで、干ばつとは言えないまでも、極端に乾燥していたのと対照的だ。通常、8月は晴れが続き、9月になると雨が降るようになる。9月になると、畑は農繁期になるので、雨は降ってもらわなければ困る。でも、今年は降りすぎ。


(クリックで画像の拡大)
庭で育苗中の菜っ葉類。
 育苗箱の真ん中の列、向こう側が、結球レタス。右側の列、手前がリーフレタス。レタスは、都合100株。
 まだ発芽して間もない菜っ葉類は、ビタミン菜、かつお菜、小松菜、水菜、ロケット(ルッコラ)。来年春に薹をたべるノラボウ菜。また、パセリ。(これらは画像では識別できない。)
 以上はプラグトレイで育苗中。

 育苗箱の右側の列、向こう側のポットで葉が茂っている苗は、春に種蒔きしたアスパラガス。10月には定植する予定。
今日晴れても明日は雨、という天候では、土が過湿状態になり、耕耘ができない。すると、種蒔きもできないし、定植もできない。それでも、雨の合間をみはからって、大根やホウレンソウの種蒔き、白菜の定植、ブロッコリーやカリフラワー、芽キャベツや(普通の)キャベツの定植を済ませた。ジャガイモは植えつけた。タマネギの育苗も始めた。

いま定植を待っているのはレタス。でも、これから数日も雨が続くようだ。その間に、大きくなりすぎなければいいが。

村便り:2016-08-03(月) (セミの鳴き声)
投稿日:2016-08-03(水)

先日、明け方に目が覚めると外からザワザワとでも表現すべき音が聞こえてきた。気になり、ベランダ(物干し台)に出てみた。音は明瞭になり...

先日、明け方に目が覚めると外からザワザワとでも表現すべき音が聞こえてきた。気になり、ベランダ(物干し台)に出てみた。音は明瞭になり、ヒグラシの鳴き声だと分かった。少し離れた山から聞こえてくるのだろうか。

ヒグラシが明け方に鳴くのははじめて知った。大学に進学するまでは山間の村に住んでいたのだから、知っていても不思議はないが、明け方のヒグラシは記憶にない。調べてみると、たしかに、明け方、また夕方に、鳴く、とあった。夕方はうなずける。中学校からの帰り道、山が急斜面から覆い被さってきそうなところを歩いていると、降るように聞こえてきた。しかし、私は一度もその姿を見たことがない。だから、蝉ではなく、木々に住む、無数の不思議な生き物の鳴き声のように感じていた。

いま住んでいるところでは、日が昇り、温度が上がりだすと、クマゼミが鳴きだす。クマゼミは、私の村にはいなかった。夏休み、海岸に近い市街地に行くと、うるさいほど鳴いていた。そのせいで、クマゼミの鳴き声をきくと、とたんに暑苦しく感じてしまう。

小さいころ捕まえて遊んだ蝉は、アブラゼミ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシだった。里にいたセミはこのくらいだったのではないだろうか。アブラゼミが捕獲の一番の対象。ツクツクポウシは8月半ばから盛んに鳴きだすので、盆と夏休みの終わりとに結びつくためか、なんとなくもの悲しくも聞こえた。

蝉の元気な鳴き声と対照的に、いま私は少々夏ばて気味。ブログは、この短文を「鳴く」元気くらいしかありません。
村便り:2016-07-29(金) エルブ・ドゥ・プロヴァンス
投稿日:2016-07-29(金)

一昨々日[さきおととい]の夜、ラタトゥーユ ratatouille を作った。成りすぎるズッキーニをどう料理しようか、と考えた挙げ句、出てきたレシピ...

一昨々日[さきおととい]の夜、ラタトゥーユ ratatouille を作った。成りすぎるズッキーニをどう料理しようか、と考えた挙げ句、出てきたレシピである。考えた挙げ句だから、もしかして、とご推察されるかもしれないが、その通り、じっさい一度も作ったことはない。さらに、これがラタトゥーユだと了解して、何かの料理を食べた記憶もない。


(クリックで画像の拡大)
ラタトゥーユ。
インターネットでレシピを検索してみると、或るサイトのレシピで挙げられている材料の夏野菜は、一つを除いて、すべて自給できた。タマネギ、ナス、ズッキーニ、セロリ、トマト、ジャンボピーマン(赤、黄)、オクラ、ニンニク。(セロリだけはない。また、ナスは、畑にはあるが、冷蔵庫に入っていなかったので、使わなかった。そして、カラーピーマンは色づいているのがなかったので、未熟な緑のものを使った。)ニンニクもある意味で、夏野菜といえるだろう。収穫は6月であり、すると今がいわば旬だからである。列挙して気がついたが、ニンニクとセロリを除き、他はすべて果菜類。たしかに夏野菜は、果菜類が多い。

味付けは至って簡単。塩と胡椒だけである。それに、トマトの酸味が加わり、食欲を刺激する。その意味で、トマトは調味料ともいえる。

調理も至って簡単。切った野菜をオリーブオイルで炒めて、トマト、塩を加えて、鍋に蓋をして、煮込むだけ。煮汁は野菜自体から出る。

フランス料理だけあって、さらに香草が加わる。ローリエ laurier とエルブ・ドゥ・プロヴァンス herbes de Provence。ローリエは畑の隅に生えている月桂樹からちぎってきた(月桂樹からちぎりとるのは当たりまえか 笑)。しかし、エルブ・ドゥ・プロヴァンスは、畑には生えていない。買いおきもない。


エルブ・ドゥ・プロヴァンスに注意を向けていると、遠い昔の記憶が蘇ってきた。最初は、かたまりのようにぼんやりと、それから、ゆっくりと次第に、いくらか明瞭に。

フランスで学生をやっていた頃、私と同じ学生寮(パリ第10大学-ナンテール-のキャンパス内にあった)に住んでいた日本人女性(ピアノを専攻する音楽学校の生徒だった)がいて、彼女がエルブ・ドゥ・プロヴァンスを好んでいた。いろいろな料理にそれを使った。(ただ、彼女が作った料理の中でラタトゥーユは思い浮かんでこない。)魚とか肉とかを焼くとき、その香草ブレンドを振りかけていたのを、断片的に思い出す。彼女は帰国する際(私は、と言えば、彼女よりずっと遅れて、さらに数年滞仏して帰国することになる)、エルブ・ドゥ・プロヴァンスを買い込んで持ち帰ったようにも思う(ただし、これは私が創作した記憶かもしれない)。

そのハーブは幾種類かの香草をブレンドしたものであるので、私には、何かまがいものめいたようなものに思えた。市販のカレー粉が、料理に合わせてスパイスをブレンドする手間を省いた、お手軽で何でも屋的な調味料ではあるが、ありきたりの味しか作り出さないのを、そのまがいものめいた印象を比喩的に説明するのに、引き合いにだすことができるかもしれない。しかし、彼女にとっては、その香草ブレンドは、どんな料理の上でも、一振りすれば、自分好みの風味を生み出す魔術的な調味料だったのかもしれない。

インターネットで調べてみると、そのプロヴァンス風の香草ブレンドが、ブレンドされた形で市販されるようになったのは1970年代以降だそうである。とすれば、彼女がそれを発見したのは、まだ新しい商品だった頃と思われる。

ラタトゥーユを調理しながら、エルブ・ドゥ・プロヴァンスにまつわる記憶を出発点として、彼女を核とした混乱した記憶を脈絡なくたぐりよせていた。

今度ラタトゥーユを作るときは、エルブ・ドゥ・プロヴァンスを使ってみたい。嗅覚が何かを思い出させてくれるだろうか。

村便り:2016-07-10(日) (サツマイモの植えつけ)
投稿日:2016-07-11(月)

思い出したように村便り。ひとつは、なかなか時間がとれないため、もう一つは、モチベーションの低下のせい。基本的に、週の3日が百姓、3...

思い出したように村便り。ひとつは、なかなか時間がとれないため、もう一つは、モチベーションの低下のせい。基本的に、週の3日が百姓、3日(火、水、木)が勉強のペースができていて、そんなに暇ではない日々を過ごしているのだが、根本のところでモチベーションが高まらない。野良に出ているときは忙しく動いているし、勉強するときもけっこうのめり込んでいるのだが、それらを通底する勢いが弱まっている、というか。底がふたしかである、というか。ブログを更新するときには、モチベーションの低下がもろに影響する。《意義》が見いだせない。nihilisme?(笑)


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サツマイモの植えつけ。畝は鍬で起こして作った。
 畑の隅っこ。イモが太り始めると、キジとイノシシに狙われる。キジはイモをつつく。キジ対策としてはキュウリネットを被せる。イノシシは掘り返してきれいに食ってしまうが、すぐ横に張ってある電気柵で侵入を防ぐ。今年もうまく奴らを寄せつけないことができればいいが。
とまれ、今日はサツマイモの植えつけ。苗は畑の片隅で草に埋もれて育っていた。忘れかけていたのだが、去年と同様、ジャガイモを掘り上げた後に定植しよう、と心積りしていたのを、ジャガイモを掘り上げたあと放置していた畝を見て、思い出した。去年もこのごろ植えつけたはずと記録を確かめると、7月12日に植えつけている。収穫は遅くなったが(記録によれば、11月22日)、「豊作」だった。去年と同じ、12株を植えつけ。



(クリックで画像の拡大)
トマトはキジが狙う。色は識別できるようで、赤く熟れたものをつつく。
 キジ対策として、キュウリネットを張る。ネットが地面に垂れた状態(画像のネットはその状態)だと、キジはその上を踏んで近づき、トマトをつつくようである。そこで、画像で言うと、ネットを左側に引っぱってポールで止め、ネットと地面とを離す。すると、さすがに、ネットの穴に脚を入れて近づくことはしないようである。
いま夏野菜がつぎつぎと採れている。姪が週末にやってきて、ごっそりともって帰るのだが、それでもズッキーニ、トマト、キュウリは収穫が追いつかないほど成る。そのうち、ピーマンも鈴なりになるはず。ないとさびしいので、多めに植えつけてしまうから。また、苗はすべて自家製(温床育苗)なので、つまり、購入しないので、いきおい植える株数が多くなってしまうから。そこで、余剰収穫物は知人に配る。

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