てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳
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村便り:2007-10-13(土) (稲刈りの準備)
投稿日:2007-10-13(土)

 稲刈りの準備。(クリックで画像の拡大)刈った稲を縛るための「藁紐」。 左側の束は、バインダーで縛ったままの藁束(脱穀済み)。右側の束...

 稲刈りの準備。

藁紐
(クリックで画像の拡大)
刈った稲を縛るための「藁紐」。
 左側の束は、バインダーで縛ったままの藁束(脱穀済み)。右側の束は、「紐」に仕立てたもの。仕立てるといっても簡単な処理で、藁の一番上の(したがって一番根元の)葉鞘を除いて、長さを揃えるために穂先を、押し切りを使って、切断するだけである。
 葉鞘を取り除くには、根元あたりを、手の指でくしけずるように、掻く。除けなかったものは、個別的に取り除く。こうすると、縛るために藁を抜き取るとき、葉鞘だけを引き抜き、必要とする藁の本数が確保できない、ということが少なくなる。ちなみに、稲束を縛るには、私は、3本から4本の藁を使う。
藁紐(拡大画像)
(クリックで画像の拡大)
藁紐の拡大画像。
 手前3本が、葉鞘を取り除いた藁。後ろの4本が、取り除いていないもの。
縛った稲束
(クリックで画像の拡大)
藁紐で縛った稲束。
 3本ほど(画像では4本)の藁からなる藁紐を束にぐるりと巻き付けて締め、紐が交差したところで紐をねじる。ねじるには、まず、紐の両端を両手で握る。握った手は、親指の方が紐の端の側に来る。右利きの私の場合、右手で握った紐が、左手で握った紐の左側に来る。それから、紐を時計逆廻りにねじる。
 さらに、指先を使って同じ方向に何回かひねる。最後に、ひねった部分が丸まるように強くひねる。すると、画像のように、紐が丸まってしっかりと止まる。
 藁紐を、紐と稲束の間に挟み込む人がいるが、その必要はない。
 まずナル運びからは始めた。ナルとは稲架の材料で、稲を架ける竿。木製のものもあるが、わが家のは孟宗竹で、一本の長さは約9メートルある。それを一本ずつ担いで田んぼに運んだ。田んぼまでは5、6分の距離、11本を休まず運んだので、2時間ほど、その半分は肩に負荷をかけて、歩き続けたことになる。健康ウオーキング、といったところか。

 午後は、バインダーが出入りしたり回転したりする田んぼの角の稲を鎌で刈った。各々の角で4束ほど刈りとる。刈った束は藁で縛る。昔の手刈り時代を思い出す、わずかな時間である。

 最後に、バインダーにジュート製の縛り縄を通して、明日はすぐに刈り取りを始めることができる状態にした。

 稲架杭(稲架足)も運びたかったが、日没ゲームセット。軽トラックで一気に運ぶので、明朝の、ウォーミング・アップ代わりの一番仕事でやるつもり。
村便り:2007-10-09(火) (秋祭り)
投稿日:2007-10-09(火)

昨日は秋祭りのため農作業を休んだ 昨日、10月8日(日)は村に二つある神社のうち、わが家の屋敷と田畑のある地区の秋祭り。この地区は5集落に...

昨日は秋祭りのため農作業を休んだ
 昨日、10月8日(日)は村に二つある神社のうち、わが家の屋敷と田畑のある地区の秋祭り。この地区は5集落に分かれており、集落が順番に祭りを受け持つ。今年は、屋敷のある集落が当番になっている。集落には、5年に一回まわってくる当番を中心になって受け持つ家がある。祭りの当日、囃子がその家を出発して神社に向かう。囃子が出る家も順番に代わる。だから、或る家が祭りの中心になるのは一世代に一回あるかないかである。わが家の場合、私の祖父の時代に囃子が出た、という話を聞いている。

 祭り当日に農作業をするのはどうも居心地が悪い。ましてや、同じ集落から囃子が出るとなると、白い目でみられる(*)。そこで、昨日は農作業をせず、ひさしぶりに休日をのんびりと楽しんだ。
(*)ただし、祭りは自治会が主催であるから、私のように村の外に住んでいる者は部外者である。

同級生
 今日は、深夜過ぎてから降り始めた雨が朝のうちに止んだので、いつもより遅めの10時に家を出て村に向かった。途中、昼食を買うために、村の隣町のスーパーに立ち寄った。スーパー内のベンチに小中学校時代の同級生が所在なさ気に坐っているのが目に入った。長い間会っていなかったが声をかけると、向こうもすぐに私を認めた。買い物をしている奥さんを待っているのだ、と言う。雑談をはじめた。

 稲刈りの話も出た。彼の家ではもう稲刈りを済ませたそうである。今年はコンバイン[刈り取り脱穀機]を買ったので、作業は楽だった、とのこと。買った理由を彼は説明した。腰を痛めて、治らない。田んぼは荒すわけにはいかない。そこで高価ではあるが、それまで所有していたハーベスター[脱穀機]を下取りに出して、作業が大幅に楽になるコンバインを買った。「米は作るより買うた方が安い」と彼は苦笑しながら話した。安いうえに、身体も痛めない、と付け加えることもできる。村の農家は、耕作規模から考えて、ほとんどが抱いている複雑な思いであろう。

今日も聞こえる祭り太鼓
 屋敷について昼食を済ませたあと、作業をはじめると祭り太鼓が聞こえてきた。今日は、もう一つの地区の祭りである。太鼓だけは遠くからでも聞こえる。私にとって、屋敷のある地区のとは違い、なじみのある叩き方である。小学校を上がる前から大学入学まで、今日が祭りの地区に住んでいたからである。囃子は子どもが担当するが、小学校高学年のとき二年続けて囃子をやったこともある。だから、太鼓の音は、なじみがあると同時に、思い出をかきたてる懐かしい音でもある。今日は、少年時代を過ごした地区の祭りだと思えば、居心地が悪くない、とは言えないし、時間があれば祭り気分を味わいたい気持ちもないではないが、忙しい農作業を優先させた。

落水作業の続き
 作業のメインは、やり残した田んぼの落水作業。ウンカ被害がひどい田んぼの水が落ちない。もともとダブであるうえに、一昨日、半分しか作業をやっていなかったからである。残りの作業にとりかかるが、完了する前に一日は終わった。今週末には早めの稲刈りを敢行するつもりであるが、この調子では、この田んぼは手刈りの部分が多くなるかもしれない。
村便り:2007-10-06(土) (ウンカ、枝豆、白い彼岸花)
投稿日:2007-10-07(日)

(クリックで画像の拡大) 褐色の部分が被害にあったところ。周りを休耕田・耕作放棄田に囲まれたこの田んぼがいちばんひどい。全面積の三分の...

ウンカ被害
(クリックで画像の拡大)
 褐色の部分が被害にあったところ。周りを休耕田・耕作放棄田に囲まれたこの田んぼがいちばんひどい。全面積の三分の一以上が被害にあっているだろうか。これから一週間の間にさらに被害が拡大するだろう。イノシシに狙われ、ウンカにとりつかれ、まったく運のない田んぼである。
黒豆
(クリックで画像の拡大)
 黒豆。枝豆としてもって帰るため、葉っぱだけは落とした。黒豆は順調な生育である。一緒に写っている鎌の柄は23㎝程度。右下角に私の、田靴を履いた足の一部が写っている。
青大豆
(クリックで画像の拡大)
 青大豆も黒豆も晩生となっているが、青大豆の方が生育が早い。作業の関係上、黒豆を早く植えるが、それから一、二週間遅れて植える青大豆が、枝豆の時期になると、いつも追いついてしまう。青大豆は黒豆に比べて枝が小振りだが、黒豆とさほど遜色のない豆のつき方をする。青大豆は枝豆としても美味しい。
白い彼岸花
(クリックで画像の拡大)
 前の畑の、〈林〉と化している部分にひっそりと彼岸花が咲いていた。花の数からしてことし初めて咲いたものではないように思う。たしかに彼岸花は球根を植えてから二、三年しないと花がつかない(私の経験)。しかし最初に2、3球植えたとして、花が何年か/も咲かないと、これだけの株に増えない。それにしても今までここに彼岸花があるのは気がつかなかった。(この「村便り」を書いたあとふと思い出したが、昨冬、このあたりに彼岸花の葉っぱが繁っているのを見て、どうしてこんなところに?と思ったことがある。)
 いったい誰が球根を植えたのだろうか。それも不思議である。私には記憶がないから、母かもしれない。この〈林〉部分に生えている山桜、ウミミズザクラ、柿などは鳥が種を運んできたのだろうが、彼岸花は運んではこない。
 ちなみに、彼岸花の後ろに細い幹だけ見えているのはコナラ。このあたりにリスはいないから、種を運んだのは子どもだろうか?
ウンカ被害
 稲刈りが近づき、今日は田んぼの水を落とす作業を始めた。稲刈りの時期が例年通りだとすると、水を落とすぎりぎりの時である。しかし、今年は稲の状態がおかしく、稲刈り時期を早めなければならない気配になってきた。ウンカがつき、稲が最初は部分的に枯れ始め(「坪枯れ」といい、狭い面積が円形に枯れる)、次第に枯れた部分が拡大してきたのである。被害はわが家の田んぼに限らない、村を含む近隣の地域で発生している。

 ウンカに食害された稲は枯れ、茎がもろくなる。私はまだ経験がないが、聞くところによると、バインダー[刈り取り結束機]がうまく結束しない。また、機械に屑藁が詰まるので、それを取り除くのに手間と時間がかかる。だから、枯れた部分は手で刈らざるをえない。ウンカ被害が出ても、農薬を散布すれば、被害の拡大をくい止めることができる。しかし、農薬を使わないとすれば、刈り取り適期(*)にならなくても、被害が拡大しないうちに、刈りとった方がいい。
(*)穂軸[籾がついている軸部分]が三分の二ほど黄熟した時が適期。

 実が充実し始めてからは田んぼに水は入れていないので、すでに十分に土が乾いているところもある。ただダブ[湿田あるいは水のはけにくい箇所]はムナクト[排水口のことで、稲が熟すまで閉じてある]を切り開き、横手[田んぼ内縁に沿って作る通水路]を浚って水の通りをよくしなければ乾かない。だから、今日と明日で水を落とすと、稲刈りは早くて一週間後になる。しかし、今のような状況であれば、落水作業が終わるとすぐに、土がすでに乾いているところから少しずつでも刈りとりたい。ところが、もう新学期が始まっているので、週日は休暇をとることはできない。これから一週間、被害の拡大を苛々と座視するしかないのである。

 夕方、農道脇の横手を浚っていると「早ようせんにゃぁ[早く〈稲刈りを〉しなければ]」と農道から声を掛けた人がいた。いきなりの声に驚いて顔をあげると隣家の主人だった。田んぼも農道を隔ててわが家と隣り合っている。日課の犬の散歩で通りかかったのである。その人は自分の家の田んぼがウンカにやられたときの経験談をした。被害にあった稲でも収穫はできる。しかし、精米の時に米選機にかけると小米[こごめ]として除外される。「まあ[籾の充実期の]いつやられたで違うがの。」その人の田んぼははやもん[早稲]を作っているので、とっくに稲刈りは終わっている。「今年ゃ、はやもんがえかったの」と言うと、「ちいたぁ[すこしは]、ええことがなけんにゃの」と笑いながらその人。ただ、今年の9月の稲刈りは、真夏に稲刈りをするようで、「暑うて、やれんかった」そうである。

枝豆
 落水作業の途中で、休耕田に作っている大豆をみると、枝豆として食べられると思われる大きさに実が充実していた。黒豆も青大豆も食べられそうだったが、試しに黒豆を一株抜き取った。今年は、今まで作ったことのない、くらかけ豆も作っている。黒豆や青大豆に比べて実は小さい。ひたし豆として食べる予定であるが、枝豆としての味も試してみるつもりである。

白い彼岸花
 夕方17時ごろ、井戸端の水場で鍬などの泥を落としていた。ふと前の畑の草むらに目を向けると白いもやもやした塊が見える。目を凝らすと白い彼岸花のようであった。近づいてみるとたしかに彼岸花。いままでそこに彼岸花が咲いているのを見たことがない。ましてや白い彼岸花は話に聞いたことがあるが近隣で見たことはない。忽然として地中から涌きでたように思えて不思議な気がした。
村便り:2007-09-30(日) (ニンニク植え、サツマイモ畝の草取り)
投稿日:2007-10-01(月)

播種:ニンニク 夜の間に雨が降ったが、予定している畑作業に支障が出るほどではなかった。(クリックで画像の拡大) タマネギの発芽状況。藁...

播種:ニンニク

 夜の間に雨が降ったが、予定している畑作業に支障が出るほどではなかった。


タマネギの発芽
(クリックで画像の拡大)
 タマネギの発芽状況。藁の覆いを取り除いた翌朝の姿。
ニンニク植え1
(クリックで画像の拡大)
 ニンニクを植えつつある畝。
 昨年11月から今年5月までソラマメが生育していた畝。夏中、草が生えるがままになっていた。背景に草が生えている畝(カボチャを作っていた)があるが、それ以上に高い草(主としてエノコログサ)が生えていた。その草を直前に鎌で刈り倒した。
ニンニク植え2
(クリックで画像の拡大)
 ニンニクは、草をかき分けて植える場所を作り、そこに12㎝おきにスコップで穴をあけて種を入れる。普通ニンニクは70球、葉ニンニクは18球植えた。
サツマイモの畝
(クリックで画像の拡大)
 草を除いたサツマイモの畝。
 6月下旬に蔓を植えたから、三カ月以上経っている。一番手前の株は、9月始めに草取りをしたもの。他の株とは葉茎の繁り方が違う。霜が降りるまであと一カ月あまり、葉茎は、したがって芋は、どのくらい大きくなってくれるだろか。
タマネギの発芽状況
 畑に着いてまず、9月22日に種蒔きしたタマネギの発芽状況を確認する。そろそろ覆っていた藁を除いてやってもいい時期のようであった。タマネギはうまく管理してやらないと発芽率が悪くなる。管理の仕方については、9月8日の「村便り」の画像で説明した。発芽管理の最後は、覆っていた藁を除くことであるが、この時期の見極めが難しい。発芽が始まったので慌てて藁を除くと、まだ発芽していない種が日の目を見ないままになる。好暗性発芽に適した条件を除かれ、さらに、土が乾燥するからである。しかし、欲張って藁を覆ったままにしていると、早く発芽したものはモヤシ状態になる。他方、藁を除くのは慎重にしないと、藁の間に挟まっている苗が抜けてしまう。少しずつ、ゆっくり、そっと、といった動作で除く。藁は夕方に除いたが、今年は種蒔きして雨が降り土壌水分が好適な状態だったこともあり、満足できる発芽率であった。

 今日の農作業の予定は、白菜とキャベツ類(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー)の追肥と、ニンニク植え。

白菜とキャベツ類の追肥
 ニンニクは草が繁っている自然畝を草刈りして植えるので、草を濡らしている露が乾くまで待つことにして、白菜とキャベツ類の追肥にとりかかった。

 白菜は肥料食いである。二、三回追肥をして、寒さで成長が止まるまでに葉の数をかせぎ、大きく結球させなければならない。だから、肥料の少ない畝では、結球に至らず冬を迎えてしまう。自然畝では葉数が少なく、葉の開いた白菜しかできない(私の経験によれば)。しかも、白菜は食い残しが多い。いわば白菜は飽食の現代人のようなものである。
 キャベツ類は、ひさしく自然畝で栽培していたが、今年は慣行畝に変更した。やはり肥料が効いている慣行畝は生育がいい。その生育を見ると、禁欲的な自然畝栽培で長いあいだ忘れていた感動を覚える。だからと言って、自然農法をやめようとは思わない。全品種ではないにせよ、小振りの出来であるが安定した栽培法を編み出したい。自然農法は未来を開く一つの方向だと考えているからである。

ニンニク植え
 ニンニクは自然畝栽培に決めている。小振りだが、出来る。夏のあいだ繁った草を刈ることから始めた。ニンニクを植える予定の畝にはヒルガオがところどころに生えている。ヒルガオは地下茎を伸ばして繁殖するので見つけ次第抜き取ることにしている。多年草は自然畝から除外するのが私の方針である。ヒルガオを抜くと長い地下茎がずるずるとついてくる。できれば、この地下茎も抜き取る。

 ニンニクは普通ニンニクと葉ニンニクの二種類。葉ニンニクは南方系のニンニクで、色は紫色。春先、茎が柔らかく伸びてきたときに利用する。種球は小さいので、利用しにくい。わが家のシェフは、茎はにおいがきつい、と言って葉ニンニクは使ってくれない。そこで、近年は、いつか利用するときが来るかもしれない、と思いながら種取りのためだけに栽培している。でも、今年は別に25球ほど慣行畝に植えた。茎が成長したら、もう一度使ってくれるよう、シェフに頼んでみるつもりである。

サツマイモ畝の草取り
 畑の作物の中に夏中、気になっていたものがある。サツマイモである。苗を植えてから一度も草取りしていないので、草の中に埋もれ、葉茎が成長できないでいた。去年はイノシシにやられた。今年はイノシシが来ない代わりに、勢いの強い夏草が萎縮させた。受難続きのサツマイモ栽培である。夕方、日が傾きはじめたが、畝の草刈りをする決心をした。

 草取りをしていると、腹立たしいような悲しいような、鬱屈した気持ちになった。種蒔きをして発芽する、苗を作って定植する。そこまではうまくいく。しかし、それからは成り行き任せ。草が生い茂り、肝心の野菜はうまく育たない。こんな気持ちになるときはいつも「賽の河原」という言葉を思い出す。そして、もしかしたら、自分は前世きっと田畑を売ってまで道楽三昧に耽った百姓だったんだろう、と思ったりする。

 暗くなりかけた畑で草刈りを終えると、芋の、植えてから三カ月以上もたったとは思えないほどに貧相な葉茎が姿をあらわした。安堵半分、気落ち半分の気分だった。
村便り:2007-09-29(土) (ワケギ、ロケット)
投稿日:2007-09-30(日)

播種:ワケギ、ロケット(ルッコラ) 一日中曇り空。時折ぱらぱらと雨粒が落ちるような天気だった。気温が低く、水分は夕方、作業が終わっ...

播種:ワケギ、ロケット(ルッコラ)

 一日中曇り空。時折ぱらぱらと雨粒が落ちるような天気だった。気温が低く、水分は夕方、作業が終わって初めて水を飲んだだけ(昼食時のビール350ml缶は除く)。いよいよ本格的な秋か。

人参の追肥
 午前中は、まず、先週「 一日体験入農」の学生が草取りしてくれた人参畝の手入れ。

 人参の8月21日、まだ乾いている時期に蒔いた。その日の「村便り」に書いたように、人参は発芽しにくいので、それなりの手間をかけてやるが、今回は一部発芽が悪いところがあった。種の量が少なかったので、心持ち薄蒔き[うすまき-単位面積あたりの播種量を減らすこと]したのがたたったようである。

 人参畝の手入れとは今日の場合は追肥。しかし、学生には条間の草だけをとってくれるように頼んでいたので、また彼らは草取りに不慣れなこともあり、草は条間も含めてまだ残っており、追肥の前に、草取りの仕上げをしなければならなかった。草取りは単純作業のように思えて、きれいに仕上げるのはやはりある程度の慣れは必要のようである。

ワケギ
 それから、ワケギを植える畝の準備。ワケギは連作が可能なので、昨年と同じ場所に畝を作った。肥料は、ワケギの幼根は肥あたり[肥料成分の影響で発芽不良や発育不良になること]しやすいため、カキ殻石灰のみを散布。

ロケット
 午後は、ワケギの球根を植えてから、ロケット(ルッコラ)の種蒔きをした。ロケットの種は、五、六年前に採種したもので、調味料の入っていた小ビンで保存している。種が古くなったので、昨秋蒔いたときは翌年(すなわち今年)に採種するつもりであった。しかし、採種用に残しておいた株は、春から夏にかけての忙しさが続くうちに、結実し、落下したり鳥に食べられたりしてしまった(鳥、とくに雀は種のついた野菜を目ざとく見つけて種を食べるので、採種する予定の株は適期に刈りとるか、何らかの防鳥対策をしていないと、鳥の餌食になってしまう)。来夏こそは採種するつもりである。
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