てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳
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村便り:2017-10-05(木) (カブ、根菜類播種の最後)
投稿日:2017-10-06(金)

夕方、カブを蒔いた。カブは9月終わりか10月の頭に蒔くことにしている。種袋には9月始めから蒔けるように書いてあるが、早く蒔くと発芽はする...

夕方、カブを蒔いた。カブは9月終わりか10月の頭に蒔くことにしている。種袋には9月始めから蒔けるように書いてあるが、早く蒔くと発芽はするものの、やがて虫の餌食となり消えてしまう。同じ時期に大根を蒔いても、消えることはないところをみると、カブの葉っぱの方が虫にとっては美味しいようである(人間にとってもしかり)。そこで私は播種期のぎりぎりまで待ってから種を落とす。


(クリックで画像の拡大)
カブを蒔いたところは、スクモ[もみ殻]で被覆してある。白蕪と赤蕪をまいた。左畝に置いてある寒冷紗は、鳥がスクモに引き寄せられて種をほじくりかえさないようにするため、また、雨に打たれて種が露出したり流れたりしないようにするために、ベタ掛けする。
 同じ畝の向こう側は大根が発芽している。
 右側の畝の、手前、ネットで被われているのはキャベツ、その向こうはニンジン。
10月5日はすこし遅すぎる。明日は雨の予報。だから今日やらなければ、さらに遅れてしまう。昼までは他の用があって畑に来ることはできなかった。午後3時くらいに畑にやってきて、作業を始めた。

カブで、秋の根菜類は播きおえた。9月4日にニンジンの播種、9月21日にジャガイモの植え付け、9月23日に大根の播種。いずれも遅れた。それ以外に、ビートも予定していたが、見送った。(ビートは、言葉を厳密に使うと、根菜類ではない。根もとがカブのように太るが、太るのは根ではなく、茎。)

村便り:2017-04-12(水) (てつがく村に新人)
投稿日:2017-04-17(月)

「てつがく村」農園に新人が登場! 職場の旧同僚、今年3月末で定年退職した男性である。研究室が近かったので、何回か丹波黒豆のエダマメを...

「てつがく村」農園に新人が登場! 職場の旧同僚、今年3月末で定年退職した男性である。

研究室が近かったので、何回か丹波黒豆のエダマメをあげたことがある。彼は大のエダマメ好きらしく、丹波黒豆の美味に感動し、冗談まじりに(まったくの冗談で?)、退職したらエダマメを作りたい、と言っていた。私は旧の職場で非常勤をやっているので、彼に出会うことが時々あり、退職後の予定をきくこともあった。彼は退職をきりに、教育から退きたい意向だった。かといって、別の職種に就くつもりもない。そんな話を聞いたので、退職1カ月前頃に、エダマメ作りのために私の畑に招待する手紙を書いた。すると、彼がその気になった、というわけである。

招待状を書きながらも、私の中には不安もあった。彼は、都会育ちなので農耕の経験はない。そういう人は農耕に対して勝手なイメージを作っている、という思いが私の中にある。そして何度か作業をしたあとで、やめてしまう。そんな不安である。手紙のあとで、彼に会うことがあったので、まず軽い気持ちで見学にきてほしい、と伝えた。しかし、彼の方の本気度は私が思っていた以上に強い様子だった。自分はやると決めたことはすぐにはやめない、とも言った。私の知る彼の性格からして、そうだろう、と思う。高校生のときには硬式野球部に入っていたそうだから、肉体的にハードな状況の経験もある。その性格と経験が、私の不安を軽減しはした。

私が不安と期待との間を揺れ動くなか、彼は今日からやってくることになった。夏までは、論文を本にする仕事があるので、週に3回程度やってくる、とのこと。(サラリーマン時代、私はH市内に住んでいて、「てつがく村」までは車で小一時間かかった。彼は40分程度だから、私の感覚からすれば、通えぬ距離ではない。)だから、たんにエダマメ作りだけではなく、百姓全般をやることになる。私の期待は、だから、私の相棒になってくれることである。いい相棒であれば、仕事ははかどるし、意欲面でも刺激になる。むろん最初はいろいろと手ほどきをしなければならないが。

最初、簡単なオリエンテーションをしたあとで、さっそく、種蒔きをした。まずは、エダマメ。発芽直後の鳥害を防ぐためポット育苗。気温が低いので温床の隅にいれることにする。さらに、キャベツミニ白菜浅黄系九条ネギポワロ。これらはプラグトレイに蒔き、露地で育苗。種蒔きはほとんど新加入の相棒にやってもらった。

新人は、キャベツの種を蒔くとき、キャベツがこんな小さな種からできるのか、と驚いたり、ネギの種蒔きと聞いて、ネギも種から育てるのに意外な面持ちをしたり、私にとっては微笑ましい反応をしていた。
村便り:2017-04-08(土) (ウリ類の育苗)
投稿日:2017-04-09(日)

今日は、雨催いの空で小雨が降ったりもする一日であった。雨読のタイミングではあったか、作業小屋で、遅れ気味の温床育苗の種まきをした。(...

今日は、雨催いの空で小雨が降ったりもする一日であった。雨読のタイミングではあったか、作業小屋で、遅れ気味の温床育苗の種まきをした。


(クリックで画像の拡大)
温床育苗。50穴のプラグトレイが3つ並んでいる。ナス、ピーマン、トマト。
踏み込み温床は3月19日に完成して、3月22日に最初の種蒔きをした。トマトピーマンナスである。これら3種類のうちで一番発芽が早いのはトマト。一週間もたてば発芽が始まった。

ところが4月3日朝、気温が氷点下になったときに、発芽して双葉の状態であったトマトは寒害を受けてしまった。零度近くなるとナス科の苗はしおれてしまう。それは今までの経験から分かっていた。だから、朝の温度が5℃にみたないと予想されるような時は夜の間、苗に莚をかけて保温してやる。4月3日朝も予報によれば警戒すべき温度にまで下がる可能性はあった。しかし、2日は雨の降り出す14時頃まで昼食抜きで野良仕事をして家に帰ったので、夕方またわざわざ畑に戻るのが億劫になり、苗の防寒はせずじまいだった。ところが3日の朝、霜が降り、トマト苗はしおれてしまった。一部はもちなおしたが、大部分は枯れてしまった。

その後、モクレンの満開を機に温度があがり、春が一気に進み始めた。追い立てられるように4月上旬に予定している種蒔きにとりかかった。今日はウリ類の種蒔き。蒔いたのは、ズッキーニカボチャスイカソーメンウリニガウリキュウリスイートコーンである。唯一ウリ類でないスイートコーンは50穴のプラグトレイに蒔いたが、それ以外のウリ類はセルボックスと称するトレイを使った。従来はビニールポットに種蒔きしていたが、今年は、たまたまホームセンターで見つけたトレイを使ってみることにした。プラグトレイは稲の育苗箱にちょうどおさまる大きさだが、セルボックスは育苗箱に二つおさまる。ひとつが16セルだから二つで32セル。ビニールポットの場合、育苗箱に32個おさまる大きさのものを使うから、空間的にはだいたい今までと同じ育苗環境になる。

さらに、しおれてしまったトマト苗を補うため、トマトも蒔いた。
村便り:2017-03-05(日) (今日も春の畑を耕耘)
投稿日:2017-03-06(月)

春のシーズンが始まる前の準備作業。今日も畑の耕耘。耕耘する畑には、まだ冬の野菜が残っている。(クリックで画像の拡大)横の畑の耕耘。 耕...

春のシーズンが始まる前の準備作業。今日も畑の耕耘。

耕耘する畑には、まだ冬の野菜が残っている。


(クリックで画像の拡大)
横の畑の耕耘。
 耕耘機の左側、薄緑色の株が二つ見えるが、それはアルティショ[artichaut(fr.) アーティチョーク]。「てつがく村」のトップページでは蕾をつけている西洋大アザミ。
 すぐ右側の畝には、分かりにくいが、そら豆が育っている。5月後半に食べごろになる。そのすぐ右の畝に、赤茶けた小さな株が数株あるが、芽キャベツ。茎に芽キャベツが鈴なりになっている。等々。
菜っ葉類(ビタミン菜カツオ菜水菜)は薹立ちの気配を見せている。ロケット[ルッコラ。サラダに使う。]はそれらに先立って2月の下旬から薹が立ち始め、花も咲き始めた。

白菜は残っていたものを数日前に収穫して、新聞紙に包んで囲った。両親(むしろ父と言うべきであろうか)がやっていたのを真似しているのだが、両親はさらに上下を逆さにして立てていた。逆さにするのは、薹立ちを遅らせる処置だと思うが、どれほど効果があるか分からない。なかには、生育が遅れて結球しないままに冬を越したものがある。それは畑に残した。菜の花を食べるためである。白菜の菜の花は、茎が太く、おいしい。

ブロッコリーは主たる花蕾は収穫してしまった。でも、そのあと小さな花蕾がつくので、それを食べている。だから、まだ畑に残しておく。芽キャベツ[choux de Bruxelles(fr.)]もまだ収穫できる。ほかには、キャベツ大根人参ヤーコンが残っている。小屋にはジャガイモが保存してある。去年の秋ジャガ、さらに、萎びながらも、これも去年の、春ジャガがある。

店の野菜コーナーに行けば、遠くの産地から運ばれてきた「商品」としての農産物が並んでいるが、農家は、店頭には並ばないような、すなわち、出荷できないような、いろいろな生育ステージの野菜 も 食べながら、身を養う。四里四方の野菜、それが自給できる野菜であり、また、時々の身に合った野菜とも言えるかもしれない。

そうした春先の野菜がある場所を避けながら、昼から耕耘をした。


(クリックで画像の拡大)
スコップの右隣はノビル。その右は自然生えの人参、その右、画像の右端はカリフラワー。
時間は前後するが、午前中は、昨日、畝に生えていた草を刈り払ったので、その草を耕耘予定の畝から移動させた。草を刈り払っていた昨日、思わぬ収穫物があった。人参とノビルである。人参はブロッコリーの畝に生えていた。去年春に近くの畝で薹立ちしてできた種子が自然に散らばって生えたものと思われる。。じつは去年の秋に生えているのには気づいていたが、大きくなるとは思っていなかった。抜いてみると食べられるほどに成長していた。ノビルは畝の端に生えていた。掘ってみると種球が大きい。その畝は昨秋に耕耘しているから、そのときすでに畝に生えていたものと思われる。いったんは掘り返され、ふたたび活着して、冬の間に種球が大きくなったのだろう。このくらいまでに大きくなるなら、秋播き春収穫の野菜として栽培できるかも、という思いが浮かんだ…でも、やらないだろうな。

今日、ウグイスの声を今春はじめて聞いた。数日前、従姉がはじめて聞いた、と言っていた。けっこう上手い鳴き声だったので、どこかで練習してからやってきたのかもしれない。

村便り:2017-03-01(水) (ジャガイモ畝の耕耘)
投稿日:2017-03-04(土)

「追い出し牛」という言葉を、春先になると両親が使っていた。両親が、というより、父の死後、私が百姓を始めてから、母が、思い出話に、父...

「追い出し牛」という言葉を、春先になると両親が使っていた。両親が、というより、父の死後、私が百姓を始めてから、母が、思い出話に、父がそう言っていた、と語っていた、という方が正確だろう。冬の間、牛は野良で働くことなく小屋で過ごす。ところが、春になると農作業に連れ出される。「追い出し牛」という表現には、嫌がる牛を追い立てて外にだす、というニュアンスが込められている。役牛はいなくなって久しい。追い立てられるのは、今は人間自身である。

冬の間、家に閉じこもっていることに慣れた体は、春の農作業をはじめる頃になっても、外に出たがらない。3月の半ばから畑の春が本格的に始まる。その前に畑の準備などやらなければならない。そこで、寒さの緩み始めた頃合いを見計らい、自分の体を野良に追い出してやる。


(クリックで画像の拡大)
耕耘の終わったジャガイモ畝。
 このあと、溝をつけて畝立てしておいた。ジャガイモ植え付け前にもう一度、耕耘するので畝立ては無駄なように思えるが、しかし、溝をつけて排水をよくしておかないと、土が粘土質なので、乾きにくい。
 

(クリックで画像の拡大)
2月の終わりに石を掘った。
 この石は上面だけをみると大きくなさそうだが、深くなるにつれ周囲が大きくなる。また、この画像の状態で、深さは50cmある。しかし、まだ底には届いていない。
 石は粘土層から作土層に少しだけ頭を出している。だから、耕耘機の刃が当たる。鍬で耕しても同じことである。思いっきり振り下ろした三つ鍬の刃が折れたこともある。(ちなみに、その刃は溶接して付けてもらったら、また使えるようになった。)
今日は、ジャガイモを植えつける畝の耕耘をした。その場所は、今まで積極的には利用してこなかった部分である。粘土質が強く、耕耘しても土がかたまりになってこなれない。また、大きな石が埋もれている。だから、冬の間に耕耘し、寒気にさらして土を砕き、また、耕耘機の刃が跳ね返されるような石を取り除いておきたかった。しかし、やっと「追い出さ」れたときには、すでに冬は終わっていた。

それでも、目星をつけていた大きな石は2月の終わりに掘り上げようとはした。石ふたつが畝の真ん中あたりに埋もれているのは数年前からわかっていた。以前、ショベルとツルハシで掘り上げようとしたが、だめだった。まだ現役のころだったので、腰を据えて作業する余裕がなかった。そこで、この前は、時間がかかっても掘り上げようと決意して作業をはじめた。結果は、やはりだめだった。ショベルとツルハシだけで一人で掘り上げるには石は大きすぎる。結局、そこは畝のなかの「未開地」として残しておくことにした。耕耘機では耕さない、野菜は作らないことにした。

今日の耕耘の際にも小さめの石はいくつか除いた。それでおおむね耕作の邪魔になる石は取り除いたつもりだった。が、最後になって、畝の隅っこに「未開地」の石よりはさらに大きな石が埋まっているのが分かった。角の隅っこなので、そこも植えつけしないところにした。このあたりは、遠い昔(恐竜のいる時代?)は湖か川の底だったのではないか、と思われるほど、石が多い。すぐ近くに、地名が「亀石」というところもある。

ジャガイモの植え付けは3月終わりになる予定である。種芋は、いまは、日中は日光に当てて発芽を促している。3月半ばに伏せ、二度目の耕耘をしてから、植えつける。

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